プロゲーマー志望の無職がレバーレスコントローラを1日で諦めた理由
ツイッターを監視している方ならご存知の通り、SFV界隈で絶賛活躍中のアマチュアNo.1コーリンの某氏がレバーレスコントローラの練習開始を表明した1日後にレバーレスコントローラの使用を断念するツイートを投稿しました。
普段彼の動向を追っているファンである身からすると、常に向上心を持ってプロゲーマーを目指している彼が、そのように攻略を即座に諦めるかのような行動をとるのが信じられない...突然別人になってしまったかのような豹変ぶりに驚くばかりだと思います(自分もそうです)。
そこで、どうして彼がそのような発言をしたのか原因を考えてみました。
(記事中に彼はこう仰っていたという発言の例示を頻繁に行いますが私は彼に引用の許可をとるためのDMを送ることが何故かできないので、気になった方はソースを自分で探してください)。
1.10年後後悔しない選択
彼の動向といえば大学卒業後の内定を取り消してプロゲーマーを目指すための活動一本に専念するという意思表明ツイートでプチバズりをして、チ〇速にも纏められたことは記憶に新しいです。
つまり現在彼は無職なので一日のうち何時間もSFVに充てる余裕があり、レバーレスコントローラの練習をする時間も人よりたくさんあるということです。
大会に負けた直後だからやる気出すアピールをとりあえずするだけという自称格ゲーマーの方も界隈にはいなくもないでしょうが、自ら無職になってプロゲーマーを目指すほどの熱意を持つ彼に限ってそれはありえないと思います。
彼は以前から度々レバーレスコントローラの有用性を配信、Twitter上にて語っていたので、彼が現在使っているレバー付きアケコンに対する有用性も理解しているでしょうから、やはり練習を辞めたのは不可解です。
Mildomがあと10年続くから働く必要がないと考えて内定を蹴っただけでゲームに対するやる気がもともとあったわけではない(だから真剣に新しいデバイスを練習するやる気なんてあるわけがない)などと彼に対して的外れな意見を挙げる方もいますが、そんなことはありえないと思います。
そういう人は、彼はとても聡明で理知的で、要は頭がとてもよく、先進的な意見を度々論じてたことをご存じないのでしょう。
GBVSシーズン2の初期にベリアルを評して曰く歩くコマ投げと当身じゃ択にならないので発生次第だけどファジージャンプで全部凌げそう、多分弱いと思うのですが1か月後の答え合わせに期待、と仰っていたことなどからその慧眼は窺えます。
やはりMildomからの生活保護打ち切りも彼の予想の範疇だったことでしょう。
2.プロゲーマーとしての華麗なる遍歴
2.1.BBTAGはゲームになってない
彼がなぜレバーレスコントローラを諦めてしまったのか..それを探るためにはまず彼のゲームに対するこれまでの姿勢を追う必要がありそうです。
例えば、あれは2020年7月あたり。
彼が
という圧倒的な実績を認められプロゲーマーという肩書を背負ってBBTAGをプレイしているときでした。
BBTAGの配信中、自分の格下だと思っていた相手に当時の新キャラで負け越されたとき、つい「ゲームになってない」「アプデまだかな」との発言をしました。
その後はGBVSが発売されていたこともあり彼のBBTAGでの活動は散発的に大会に参加して即死する程度になりました。
ゲームになっていないアプデ待ちコンテンツは即切りで次のゲームへ移行するという彼のシビアなプロ意識が垣間見える素晴らしいエピソードだと思います。
(実際そのBBTAGとかいうゲームは彼という界隈を牽引するインフルエンサーにゲームになっていないという評価を受けてしまったためなのか今もアプデが来ることはなく名実ともにオワコンと化してしまいました。彼のプロとしての絶大な影響力に畏れるばかりですね。)
2.2.GBVSでキャラ愛をアピール
その後移行したGBVSでは大会にランクマに精力的に活動をしつつグランキャラ愛勢を自称していました。
GGSTではミリアを選び、SFVではコーリンを選び、GBVSでは最初期にはカタリナを選んでいたので、クールビューティー的な女性キャラが結構好きなのかな?と私は勝手に思っていましたが、それはきっと間違いなのでしょう。
最初期に性能でカタリナを選び、プレイしていくうちにキャラ愛でグランを使いたい気持ちに正直になったに決まっています。
男キャラはカーマインとかロアみたいなキャラが好きなはずなのに、なぜグラン?性能で選んだのを都合いいからキャラ愛って言ってるだけでは?と思ってしまうひともいるかもしれませんが、それは推測に過ぎません。根拠のない憶測で人を貶めるような風評は暴論として唾棄されて然るべきです。
弱体されてもグランを使い続けたのもひとえにキャラ愛ゆえです。決してキャラ替えが下手だからでもキャラ替えするための練習が面倒だったからでもありません。
彼がGBVS界隈で自己主張をするときは、周囲に自分は有名人と友達だぞアピールをするためにg〇meraさんのモノマネをしきりに繰り返す。一方SFV界隈で活躍する今日の彼のセールスはと〇どさんのモノマネ。
そして、キャラ愛が重視されるGBVS界隈ではキャラ愛を連呼し、キャラ愛を殊更にアピールする行為は競技シーンにおいて忌避されがちなSFV界隈では真面目にゲームをしているアピールを重点的にしていることから見ても、彼がフレキシブルに環境に適応する能力に優れることは明らかだからです。
画面の中でもその適応力でキャラ替えすることができるに決まっています。しかしあえてキャラ愛でグランを使い、敢えて最強キャラを使わずにコーリンを使っているのです。
最強キャラを使ってしまうとどうしてもヘイトが溜まり、人気商売たるプロゲーマーとしての活動はやりにくくなってしまうものです。己の拘りをもってプロとしての道を邁進する道を彼は選んだのです。
結果として応援絵ももらって、キャラ愛勢の知り合いもできて...やっぱり彼はすごい。
2.3.GGXrdで敢えて7-0の敗北
GGXrdをyoutubeで配信していた時期はどうだったでしょうか。
彼の聡いこと、フリープレイ化によってにわかに高まっていたGGXrdR2熱を見逃さずプロゲーマーとしての実績を引っ提げ参戦、たちまちその実力と早口で視聴者を集める人気配信になっていきました。
1か月ほどやり込んで始めたばかりなのに18段到達などプロゲーマーとしての"格"を見せつけ、通常投げは見てから抜けられる(発生1F、投げ相殺の猶予2Fなのに見てからできるなんてやっぱり彼はすごい)と豪語したり赤段すら乗っていない時点で直ガの練習に熱を入れる意識の高さを見せつけるなどしていきました。
ですが、やはりギルティでの彼は例の7先配信を抜いては語れないと思います。
自分の卓越した才能に胡坐をかいてしまったのか、或いは相手を格下だと見くびってしまったのかわかりませんが、7-0というスコアもさることながら配信内での発言がすごすぎました。
「キミノ13ネン、オレノ3シュウカン(君の13年、俺の3週間)」
「コイツ24ダンモヤッテル!?ケッコウヤッテル!?(こいつ24段もやってる 結構やってる)」(最初のラウンドが始まった直後に)
「ナニアレムテキ!?ドウイウコト!?(なにあれ無敵 どういうこと)」(スライドヘッドに対して スラヘは膝上無敵)
「オレノマツダイマデノハジニナッチマウ(俺の末代までの恥になっちまう)」
「エッコレチュウダン!?(えっこれ中段)」(メガフィストに対して)
「オモワナイヨ、オレノキモチニモナッテミロヨ(思わないよ、俺の気持ちにもなってみろよ)」「(お相手のHN)サンニ7-0ツケラレソウニッテルオレノミニモナレ(~さんに7-0付けられそうになってる俺の身にもなれ)」(応援してくれた人に申し訳ないのかというコメントに対して)
などなどです。これに関してはピックすべき場面が多すぎて全てをここで紹介することはできないので、まだ残ってるアーカイブを観てください。
当時彼が何を考えていたのか私などには知る由もないのですが、この結果についての考察としてはおそらく7先という短期戦が彼には合わなかったのではないかと考えています。
彼は兼ねてから
「10サキダッタラゼッタイマケナイノニ(10先だったら絶対負けないのに)」
と自身の長期戦の強さを周囲にアピールしており、
「コノゲームアンテイシナイカラタイカイノカズフヤシテホシイ(このゲーム安定しないから大会の数増やしてほしい)」
などと大会における短期戦の構造上の欠陥について度々指摘しておりました。
ですから、10先であれば10-7で勝つことができたのに..という無念から、思ってもいないことを口にしてしまったのではないでしょうか。
持てる時間全てをポチョムキン対策に注いだのに、その成果が7先ゆえに活かせなかったもどかしさ、追加の7先を断られた(彼視点から見て)相手の及び腰に憤りを感じてしまったことを思えば、冗長酌量の余地があるのではないでしょうか。
いやそうではなくよく考えてみると俺は天賦の才を持つプロゲーマー様だという彼の意識を共有できなかった視聴者の方に責任がある気がしてなりません。
視聴者の質が悪すぎた不幸のせいで彼は二度とGGXrdR2をプレイすることはありませんでした。悲劇のヒーローです。
2.4.GGSTをBetaで引退
やがて彼が所属していたチームは実態が全然なかったこともあって解散し、その寄る辺はMildom公認配信者というステータスとBBTAGのJeSUライセンスだけになりました。
GGXrdR2でのリベンジか、或いは界隈を牽引する公認配信者としての自負か、GGSTのBeta版配信に彼は参加。ミリア研究所を立ち上げ攻略情報をどんどんアップしていきました。
彼がBeta版を始めてから1日たった時、数十分のトレモで元プロゲーマーたる彼に挑もうとする身の程知らずの挑戦者が現れました。
のちにあのハメじゅんに出演することになるRAGE3位の某プレイヤーKで、彼の友人です。
果たして対戦の結果は
斉天大聖 100000000000000000000000000000000000-0 芸能人気取り
で彼の圧勝....と思われたのですが、実際はその逆。
白塗りモスキート 0 - 500000 K
で彼は負けてしまったのです(スコアは若干誇張してます)。
勿論ゲームには誰よりも真摯な彼です、残るBetaの時間を使ってお互いのキャラ同士の相性差や、他キャラの可能性の検討などに尽力する..はずだったのですが
ギルティ(GGST)は格ゲーとしてプレイする気はあまりなくて、GGSTはノベルゲーとしてやりたいくらいのモチベ
とツイートしたのち、GGSTのプレイはおろか製品版を買うことすらありませんでした。
今とは違ってGGSTが発売された当初はMildam給付金があったはずなので、金がなかったから買えなかったということは考えられないです。何が理由だったのか。
もしかすると彼はアークシステムワークスの人権意識の低さに辟易して購入を見送ったのかもしれません。
ゴールドルイス・ディキンソンというキャラがいます。いかにもサムソンビデオに出てきそうなキャラなのに、性的マイノリティに配慮したキャラクター付け、つまり彼をゲイとして登場させなかったことに憤りを感じて、彼は不買という形で抗議しているのではないでしょうか。
その後テスタメントなど登場しましたが、時すでに遅し。彼はSFVに忙しくGGSTを今更プレイする余裕などなかったのです。
思えば彼はフィリピンでの留学でニューハーフの人物との行為をほのめかしたり、Twitterにアップする自撮りがわざとやってるのか?と言いたくなるくらい不自然に肌を白くしていてまるでスケキヨのようでしたが、もしかするとそれらはすべて社会的な抑圧に対するアピールだったのかもしれません。
自分を客観視できていないのか?という指摘は、やはり的外れです。主張のため、あえてやっていることだからです。
3.思い出の痕
足跡をある程度追ってきましたが、やはりどうしても彼が必要な練習を途中で断念するような人物だとは考えられないのです。
どうしてレバーレスコントローラを辞めてしまったんだ、どうして...
ツイートを遡るうちに、ある発言が目に留まりました。
格ゲーで怒るたびにドックフードを食べる事にした。俺は本能を抑えられない犬なんだ。
目を引きたいのかもしれないけど必死過ぎて引く、絶望的な企画力の無さに呆れる等周囲から嘲笑を受けた配信ネタ。
私などは面白すぎる配信だと当時感銘を受けたものですが..しかし。
ふとある点に引っかかる。なぜ彼は犬など飼っていないのにドッグフードなど家に備えていたのだろう.........
それは語られることのない彼の決意。
それは彼が道化になった理由。
彼にはかつて一匹の飼い犬がいました。
彼が10さいの時に買い与えられたその犬は、安く叩き売りされていた世にありふれる老柴犬でしたが、人間の友達がいない彼の目にはとても特別なもののように映りました。
どこへ行くにも一緒、野球をするときも、サッカーをするときも、駅伝をするときもそばに寄り添ってくれたその犬は、彼にとってペットと主人という関係を超えた無二の親友でした。
しかし、元々はペットショップの隅でいつ処分されるかもわからなかったその身です。彼に寄り添うための時間はそう長くありませんでした。
彼がその犬と会って7年が過ぎてから、その犬は床にうつ伏せがちで呼吸も弱々しくなっていきました。
体調を回復させるまではいかなくとも、何とか勇気づけてやれないものか。
そう考えた彼は、その犬の前に積まれたペットフードを口に運び、ワンと吠えるまねをしてみました。
「....アン」
単なる思い付きでしたが、彼は親友が返事をしてくれたと感じたのです。
それからその犬が死ぬまでのしばらくの間、彼はいくつかの日課をこなしながら日々を過ごしました。
昼は学校で下を向き、帰ったらドックフードを食べワンと鳴き、夜はアケコンを膝置きしてe-sportsに励む―――
そんな中でプレイする格ゲーは、彼がかつて打ち込んだ野球や、サッカーや、駅伝よりも、ずっと辛くて苦しいものでした。
しかし彼にはe-sportsに取り組まなければならない理由がありました。
彼は思ったのです。彼の犬の呼吸とも鳴き声とも知れぬ返事は、まだ生きたいという意志でもなく、ドックフードを食べる姿に反応しているのでもなく、自分以外の友達を見つけてほしいという願いなのではないかと。
「自分が得意な、e-sportsなら――――周りを認めさせることができる。友達を作ることができる」
「こいつを、安心させてやることができる」
果たしてプロゲーマーとなり、たくさんの友達ができた彼。
そんな中、格ゲーで負けたらドッグフードを食べるという配信を行った理由。浅薄で滑稽にも見えるその姿は、かつての親友との絆そのものだったのです。
そして、レバーレスコントローラを諦めた理由はなぜか。
レバーレスコントローラの練習を始めた日、長時間の練習に疲れ彼はふと視線を落としました。
「・・・?」
小さな違和感を感じた彼は昨日まで使っていたレバー有りアケコンと新品のレバーレスコントローラを見比べてみました。
「アアーーーーーー..コレハ...!」
レバー有りアケコンには、BBTAGヤッテタコロトガッテタ彼に寄り添っていた犬の噛み跡が彼を見守るように残っていたのです。
というエピソードがあったから彼はレバー有りアケコンでプロゲーマーを目指す決意をしたのではないでしょうか????(憶測)